40 年間連れ添った夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)は、多額の負債を返済するために家を売却。そして、同居を勧める息子の誘いを断り、インドの高級リゾート“マリーゴールド・ホテル”での一人暮らしを決意する。彼女の他、このホテルに申し込んでいたのは6 人の男女。イギリスに家を買うはずだったが、退職金を貸した娘が事業に失敗してインドにやってきたダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)の夫婦。股関節の手術を受けようとしたミュリエル(マギー・スミス)は、イギリスの病院では半年待ちと言われ、渋々インドへ。独身者ノーマン(ロナルド・ピックアップ)の悲願は、異国の地での最後のロマンス。結婚と離婚を繰り返すマッジ(セリア・イムリー)の目的は、“お金持ちの夫探し”。以前この地に住んでいた元判事のグレアム(トム・ウィルキンソン)は、数10年ぶりに知人に会いに来たのだが、ある事情があり、迷っていた。彼らが想像していた優雅な生活は、実際のホテルを目にして砕け散る。改装中というそのホテルを亡き父から譲り受けた若い支配人ソニー(デヴ・パテル)は、やる気だけは人一倍ながら経験不足。電話は使えず、ドアのない部屋もある。だが、既に前金を支払った7 人に選択の余地はなかった。ジャイプールの街に溢れる音と色彩、喧騒と人の数、そして暑さに圧倒されながらも、それぞれの生活を踏み出す。様々な悩みを抱えながらも、この地で過ごす時間が長くなり、互いの交流が深まるにつれて、少しずつ前に進んでゆく7人。その一方で、ホテルを復活させるために、ソニーは地元の投資家に援助を依頼。しかし、ホテルを一緒に相続した2人の兄と母親は売却するつもりでいた。こうして、インドに来て45 日が過ぎた頃、母親の説得に負けたソニーがホテルを閉鎖すると言い出す。再び人生の岐路に立ったイヴリンが巡り逢った、意外な運命とは……?