サントス・トリニダ(ホセ・コロナド)は、かつて情報部で周囲から厚い信頼を集める敏腕捜査官だったが、数年前にコロンビアで起きた悲劇によって、その輝かしいキャリアは途切れていた。今では失踪人捜索課に左遷された彼の仕事は、小さな事件の処理と膨大なお役所仕事だけ。酒に溺れる辛い人生を送っていたサントスはある夜、泥酔して立ち寄った酒場で怪しげな男たちに遭遇し、3件の殺人を犯してしまう。とっさに犯罪現場の証拠隠滅を図った後、逃亡した唯一の目撃者の行方を追い始める。目撃者を追う中で見えてきたものは、複雑に絡み合い、欲にまみれた売春と麻薬販売のネットワーク。それは、とてつもなく精巧に仕組まれた犯罪計画に資金を調達するものだった。一方、酒場の殺人事件を追う警察の捜査も彼に迫っていた。孤独な戦いを続けるサントスだったが、いよいよ借りを返すチャンスが訪れる……。