2011年3月11日の午後、東京郊外のマンション。ユカコ(篠原友希子)は、凄まじい揺れを必死に耐える。サエコ(杉野希妃)は、5歳の娘・清美(渡辺杏実)を迎えに幼稚園へ走る。地震と津波の被害が報道される中、福島原発は未曾有の被害を受けた。政府が「直ちに放射能の影響は無い」と繰り返す一方、ネットには正反対の言葉があふれていた。ユカコは錯綜する情報の中で、徐々に放射能への不安を抑えられなくなっていく。そんなユカコの様子に、夫タツヤ(山本剛史)は戸惑う。一方、震災直後に別の女性の元に夫ノボル(小柳友)が去っていたサエコも、不安に駆られていた。両親の無事を確認するが、実家は被災していた。清美を守るために幼稚園で放射能の危険性を訴えるが、周囲の不安を煽り、母子は孤立していく。離婚届を置き、荷物を取りに来たノボルが去ったあと、清美が鼻血を出す。サエコは清美と無理心中を図る。隣家の異臭に気付いたユカコは、ベランダ伝いにサエコの部屋に入り、ガス栓を締める。サエコが病室で目を覚ますと、両親が被災地から駆け付けていた。清美はノボルの両親が自宅に連れ帰っていた。避難所暮らしのサエコの両親には、それを止めることはできなかった。マンションに戻ったサエコは、なぜ死なせてくれなかったのかとユカコを責める。ユカコは、なぜ娘まで殺そうとしたのかと反論する。子供を守りたいけど守れないと泣きじゃくるサエコを、ユカコは抱きしめ、励ます。ユカコには子供にまつわる重い過去があったが、2人は固い絆で結ばれる。サエコはユカコとともにタツヤの実家へ行き、清美を取り戻す。ユカコの想いを受け入れたノボルは、大きな決断をする。またユカコも、大きな一歩を踏み出そうとしていた……。