美しく陽気な女盗賊エリザベス(メリナ・メルクーリ)は、イスタンブールのトプカピ王宮博物館に陳列されているサルタンの宝剣に魅せられていた。そこで彼女は、愛人のベテラン泥棒ウォルター(マクシミリアン・シェル)を口説いて計画をたてた。2人は観光客を装ってギリシャに行き、イギリス人ガイド、シンプソンを雇った。万一の場合に備えて、トルコまで武器を運搬させるためである。それとは知らぬシンプソンは高級車を運転して出かけたが、トルコ国境の検問所で武器を発見されテロリストにされてしまった。ところが彼らはシンプソンを逆にスパイとして働かせることにした。目的地まで車を運転してきた時、彼はそこで運転手として雇われてしまった。宝剣盗みの仲間達--風変りな貴族で発明狂のセドリック、短気で力持ちのフィッシャー、身の軽いジュリオ--が勢揃いした。厳重なトルコ側官憲の警戒の中、一味が決行を前にしてフィッシャーが怪我をし、代わりにシンプソンが加わった。初めてあかされた秘密に驚ろき、警察のスパイであることをしゃべってしまった。その結果、シンプソンの報告で行動する警察の裏をかかなければならない。祭りの日、盗賊団はレスリングの競技場に乗り込んだ。尾行の刑事の隙を見て、フィッシャー1人を残して一味は目的の博物館へ。博物館は閉館するとスイッチがかけられ、部屋の床には極く軽い重みがかかってもたちまち非常ベルが鳴る仕かけがしてあるのだ。屋根からロープでしのび込んだ一味はまんまと、本物と偽物の宝剣をすりかえた。だが窓ガラスの隙間から雀が1羽迷い込んだことには誰も気がつかなかった。シンプソンが出かける前に書き残した報告書と雀の1件からすべてが明るみに出て一味は刑務所へ。だがエリザベスは次に、クレムリン宮殿のロマノフ王朝の宝石を狙っているのだった。