イスラエルの王サウル(オーソン・ウェルズ)年とともに暴君と化していた。彼の狂暴な治政化におののくこの国に予言者サミュエルがあらわれ、やがて若く聡名な男が現れて、サウル王に代るだろうと予言した。その予言した若者とは、ベッレヘムに住んでいたユダヤ人1家の息子ダビデ(イーヴォ・ベイヤー)だった。彼はやさしい心の持ち主である一方、力も強く、革袋に入れた石を投げることにかけては、誰にもかなわない技術を持っていた。彼が16になったとき、サミュエルの言葉に従って、サウル王を訪ね、侍従武官に任ぜられた。ダビデはたちまち王宮で重きをなし、王の娘ミカル(ギヴリア・ルビーニ)と恋をささやくようになった。その頃イスラエルをとりまく情勢は悪化の一途をたどり、残忍な王アシュドットに率いられるペリシテ人との争いはだんどはげしくなっていた。王の相談役アブネルはかねてダビデを快く思っていなかったが、ひそかに情を通じていた王妃メラブ(エレオノラ・ロッシ・ドラゴ)を介して、ダビデをペリシテ人との講和の使いにやるように進言した。もちろん、ペリシテ軍の中でも剛腕をもってきこえたゴライアス(クロノス)に殺されるだろうと考えてのことである。だが、ダビデの石投げの術はゴライアスの力をしのいだ。彼はみごとに勝ち、ペリシテ軍との戦いを勝利に導いた。イエルサレムの人々はこの勇者の帰途を喜んだが、アブネルはダビデをなきものにしようと企てていた。ダビデはこの企てをも打ちやぶり、めでたくミカルと結婚することができた。