ペルーアンデス山脈、高度6400mで遭難した登山家たちの事故後、ジョーは6度の手術を繰り返し、9ヶ月間ギブスをはめ、歩行不可能とまでいわれていた。しかし、厳しいリハビリを続け奇跡の復活を遂げる。山への情熱を絶やすことなく“挑戦あるのみ”と意気込む彼は、尊敬する伝説の登山家トニー・クルツの最期の謎を追い巨大絶壁へ挑む。そこは、アルプスで非常に難度が高く危険なため、登山家たちからは「妄執の塊」と呼ばれるスイスアイガー北壁。高さ1800mの垂直の岩壁、 日が当たることはない“死のビバーク”と呼ばれる大氷田、数々の難所をクルツと同じルートで登攀していくことで、自身の壮絶な過去と彼の体験が重なっていく。たった1本のザイルが運命を決める究極の選択。生か、死か、切らなくては死んでしまう。