詩が上手で夢想家の少年サーシャは、バイオリンを弾くのが得意だった。ある日、アパートの階段を両手にバイオリンを抱えているところを、彼がバイオリンを習っているのをよく思っていない少年たちに取り巻かれて脅かされる。が、運よくローラーを引いて整地作業をしていた青年セルゲイに助けられる。サーシャはセルゲイと仲よくなり、彼を通じて労働の意味や人間としての自覚を教えられる。セルゲイもまたサーシャのバイオリンを通して、音楽が美しく、感動的なものであることを学んだ。ところが、二人が連れだって映画『チャパーエフ』を観に行こうとするのを、サーシャが労働者とつき合うことを喜ばしく思っていなかった母親が反対したのだ……。