フロリダ州マイアミ。船を住居にしている私立探偵トニー・ローム(フランク・シナトラ)は競馬と女性に熱心になりすぎ、最近ではすっかり、しけこんでいる。こんなやさき、昔の相棒ターピンに頼まれ、マイアミのモーテルで酔いつぶれているダイアナ(スー・リオン)を家まで送っていった。彼女は億万長者コスターマンの娘で結婚しているのだが身持ちが悪く、コスターマンは早速トニーに彼女の素行調査を依頼した。一方ダイアナも盗まれたダイアのピンを、トニーに探してもらうことになった。その後トニーは、ターピンが、彼の自宅で殺されているのを発見した。現場に残されていた血痕から、ターピン殺しの犯人の1人は負傷しているとトニーは睨んだ。かねてターピンを狙っていた2人のならず者ニモとキャットレグに相違ない。ある日トニーの所へ、ダイアナのダイヤのピンが郵送されてきた。だが、これはニセモノだった。こんなことがあってから、トニーの身辺は急に忙しくなり、コスターマン家で知り合った美貌の未亡人アン(ジル・S・ジョン)の誘いに応える暇すらなかった。そのうちにコスターマンの身辺が危うくなり友人のサンティニ警部の協力を得た。そして、トニーの追っている男ニモは、コスターマンの後妻リタとかつて結婚していたことがあり、正式に離婚していないことから、リタの二重結婚が明るみに出た。一方、ダイアナを尾行すると、彼女はしばしば、実母のローナと会っていた。ローナは悪徳医師のボイドと結婚しており、そのうえ、ボイドが重傷者の手当てをしているのが、わかった。この重傷者こそ、トニーの家でターピンを殺し、血痕を残していった男だ。その後トニーはボイドとキャットレグがニモの死体を埋めているのを発見した。重傷を負っていたのはニモだったのだ。これで、すべてが判明した。すなわち、悪徳医師ボイドは、キャットレグたちと結託してコスターマンを殺そうとしていたのだ。そして二重結婚をしているリタの財産相続権を無効にして、ひとまず、ダイアナに財産を相続させる。そのうえで、ダイアナと実母ローナ、すなわちボイドの現夫人との愛情をうまく利用して、財産横領を企んでいたのである。