白日の下、車が襲われ、大量のコカインが強奪された。犯人は刑事二人組で、彼らはドラッグの転売による金儲けを企んでいた。だがコカインは強奪できたものの、首謀者のヴァンサン(トメル・シスレー)は、相手に腹部を刺され、傷を負ってしまう。その直後、別れた妻から“一人息子のトマと連絡がとれない”との電話が入る。犯行の最中に素顔を見られたためにヴァンサンの素性がばれ、マフィアのボスにトマを誘拐されてしまったのだ。マフィアは、コカインの入ったバッグの返還を要求、ヴァンサンは彼らが経営するクラブへと向かう。クラブの天井裏にコカインを隠し、ヴァンサンはマフィアとの交渉に向かうが、彼を尾行していた女性麻薬捜査官がコカインを奪取。隠し場所からコカインがなくなっていることに気付いたヴァンサンは焦りを募らせるが、さらにそこへコカインを受け取る予定だった別のマフィアが現れる。客でごった返すナイトクラブで、刑事とマフィア、そして彼らを追うもう一組の刑事とマフィアの思惑が複雑に絡み始める。刺された傷が悪化する中、ヴァンサンは一人息子を救うため、命をかけて絶体絶命の状況に立ち向かうのだが……。