銀行強盗犯として投獄されたフランク(アルベール・デュポンテル)は、刑務所で落ち着かない日々を過ごしていた。彼が隠した大金の在り処を巡って、同じ刑務所にいる元仲間たちが脅迫してくるのだ。妻アンナ(カテリーナ・ムリーノ)と5歳の愛娘アメリ(ジャイア・カルタジオーネ)の面会だけが、心の休まる時間だった。そんなある日、同房の穏やかな男モレル(ステファン・デバク)が釈放される。未成年者暴行容疑で逮捕された彼は、冤罪が認められたのだ。大金を狙う連中から家族を守るため、モレルを信用したフランクは、アンナへのメッセージを託す。しかしその直後、フランクのもとに見ず知らずのマニュエル(セルジ・ロペス)という憲兵が面会に訪れる。モレルが悪賢い犯罪者だという彼の話を聞き、不安を覚えたフランクは、家族の安否を確認しようとするが、連絡が取れない。2人の身を案じたフランクが決死の覚悟で脱獄を果たすと、腕利き女刑事クレール(アリス・タグリオーニ)率いるチームが、彼の追跡を開始する。その執拗な追跡を振り切ったフランクは、大金を隠した墓地に到着したものの、すでに金はなく、残されていたのは冷たくなったアンナの遺体だった……。その頃、モレルは妻クリスティーヌ(ナターシャ・レニエ)と共に、フランクの娘アメリを自分たちの娘のように連れ歩いていた。マニュエルを訪ねてモレルが未成年の女性ばかりを狙う連続殺人鬼であることを知るフランク。しかし彼は、クレールによってモレルが犯した暴行殺人の容疑者として指名手配されてしまう。一方、南仏の小さな村で偽りの市民生活を営みながら、さらに犠牲者を増やしてゆくモレル。果たしてフランクは自分の容疑を晴らし、娘を取り戻せるのか?そしてクレールは、事件の真相を突き止めることができるのか?モレルを追う一方で、クレールから追われるフランク。三つ巴の逃走、追跡の果てに、獲物となるのは誰なのか……?