有為な青年作曲家ボーンは劇しい不協和音を聞くと凶暴な発作を起こす異常神経者だった。彼はその発作中に殺人を犯したが、本人はもちろん、当局にも判らない有様だった。彼は愛人のバーバラのすすめるままに警視庁の心理学者ミドルトン博士の診断をうけるが、事件に無関係と言われて、気をまぎらすため酒場に出かけ歌手のネッダと知り合い歌をつくってやった。この歌が好評で人気の出たネッダは、さらに新しい歌をつくるように色仕かけで頼んだ。ボーンはバーバラの父が指揮をして初演する予定のピアノの協奏曲の作曲を中止して歌に熱中する。しかし、ネッダの本心が自分になく、金持ちの興行師カースティアスと結婚すると聞かされ失意に陥ったとき、発作が起こりネッダを殺害して、自作の協奏曲の演奏会場に出かけた。ボーンの好意に疑惑をもちはじめていたミドルトン博士はネッダ殺人事件の犯人がボーンであることを推定し、演奏会場に逮捕にゆく。狂気のボーンは刑事と争い、火を発した会場でピアノを弾きつづけながら焼死した。