1927年、10歳のイアン・フレミングは、母の愛に飢えた、夢想の世界に遊ぶ少年だった。その反動からか、成長し19歳になったイアン(ジェイソン・コネリー)は、見違えるようなイートン校の問題児となっていた。寄宿舎を追い出されたイアンを、母レディ・イヴリン(パトリシア・ホッジ)は陸軍士官学校に入れるが、そこでも問題を起こし、結局ロイター通信社へ就職した。語学堪能なことを見込まれ、モスクワでのスパイ容疑者裁判の取材に赴く。裁判の真相を書いた記事のため、銃殺の危機に陥るが、胸ポケットの鉛の兵士のおかげで命拾いする。ロンドンに帰還したイアンは海軍に協力を要請される。母の干渉の息抜きに訪れたパリのカジノで、ナチスの大物ヘルスタイン(ジョス・アックランド)と出くわし、ロンドンへ戻ったイアンを待っていたのは、情報活動のための特殊コマンド訓練だった。リスボンで重要書類を手に入れたイアンに、ドイツ情報部資料本部のハルムスタッド城奇襲攻撃の命令が下り、イアンらコマンド部隊は、ヘルスタインをロンドンに連行することに成功したのだった。