体重わずか51グラムという世界でいちばん小さい超未熟児として生まれたパンダは、中国語で“五一”という意味の“ウーイー”と名付けられる。通常の3分の1の大きさで、動いていることさえ不思議なウーイーのか弱い命をつなげようと、飼育員は奔走する。自然界の厳しい掟が明らかになる一方、母と子の切ない絆も見えてくる。過酷な運命を背負い、懸命に生きようとするウーイーの姿は、生きる勇気と命の大切さを教えてくれる。中国・成都にあるパンダ研究基地では、膨大な映像資料を記録している。それによると、パンダにも想像妊娠や育児放棄があり、子育てのできないお母さんパンダの代わりに子パンダを育てる代理母のような存在もいるというように、現代人が抱える問題にも通じる生態が浮かび上がってくる。そんなお母さんパンダが悩み苦しむ姿と子供に示す深い絆と愛情は、強い共感と感動を呼び起こす。