ある雨の夜、サーカスで働くチャーリー(ポール・シュナイダー)はテントの前に佇んでいた老人(ハル・ホルブルック)を事務所に招き入れる。古い写真に目を留めた老人は、昔働いていたというサーカス一座で起きた伝説的な事件を語り始めるのだった……。1930年代、大恐慌時代のアメリカ。ポーランド移民の息子ジェイコブ(ロバート・パティンソン)は両親の愛に支えられ、コーネル大学で獣医学を学んでいた。だが、卒業目前で両親が交通事故死。ひとり遺された彼は、両親が彼の学費のために家を抵当に入れて借金をしていたことを知らされる。経済的に追いつめられた彼は仕事を探そうと都会を目指すが、思うようにならない。当てもなく線路を歩くジェイコブは、衝動的に疾走してきた列車に飛び乗る。それはベンジーニ・ブラザーズ・サーカスの列車だった。サーカスの団長兼舞台監督のオーガスト(クリストフ・ヴァルツ)は、ジェイコブを列車から突き落とそうとするが、彼が大学で獣医学を修めたと知って彼を受け入れる。動物の世話をすることになったジェイコブは、一座の花形でオーガストの妻マーリーナ(リース・ウィザースプーン)に心を奪われてしまう。だが、彼女には声をかけてはいけないと言われ、ジェイコブはただ遠くから見つめるしかなかった。やがて、人気のホースショーに代わる演し物として象のロージーが連れて来られる。オーガストは言うことを聞かないロージーを折檻するが、それを止めたジェイコブとマーリーナはロージーを通して次第に親しくなる。間もなく、ジェイコブの仕込みでロージーが芸を習得。ロージーに乗るマーリーナの演し物が評判となり、一座は行く先々で人気を博す。ようやく自分の居場所を見つけたジェイコブだったが、嫉妬深いオーガストがジェイコブとマーリーナの仲に疑いの目を向けるようになり……。