旧ソ連の一共和国だった頃のグルジア。牧歌的な少年時代を過ごしたニコ(ダト・タリエラシュヴィリ)は、やがて夢をかなえて映画監督になった。だが、苦労を重ねた結果ようやく完成したニコの映画は検閲によって“上映禁止”と判定されてしまう。ある日、フランスから大使がやってきた。ニコは友人の手引きで、大使の滞在先を訪れる。盗聴に気を配りつつ会談するニコたちだったが、その一部始終は何者かによって監視されていた。投獄され、暴行を受けるニコ。祖父母が用意してくれたワイロ代わりのワインを片手に、ニコが政府高官のもとへ出向くと、高官は遠慮がちに出国を勧めるのだった。このままここにいても、ほんとうに作りたい映画を作ることは出来ない――。ニコは、生まれ育ったグルジアを離れ、フランスへ旅立つ決心をする。自由を求めてパリにやってきたニコは、幸いにもプロデューサーに作品を気に入られ、彼らの出資をもとに映画制作に取り掛かる。だが、撮影所でニコを待ち受けていたのは、映画に商業性を求めるプロデューサーとの闘いだった。「独創性が強すぎる」「映画は90分を越えてはならん」果たして、ニコは自分が作りたい映画を作ることが出来るのだろうか……。