今からおよそ2,600年前の中国・春秋時代、晋の国。宰相・趙盾(パオ・グオアン)を筆頭に栄華を誇っていた趙氏一族は、屠岸賈(ワン・シュエチー)の謀反により、王殺害の罪を着せられ、一族300人が皆殺しにされる。その騒ぎの最中、趙盾の息子の妻・荘姫(ファン・ビンビン)は子供を出産。だが、自らの運命を悟った荘姫は、出産に立ち会った医師・程嬰(グォ・ヨウ)に生まれた子を公孫(チャン・フォンイー)に託すよう頼むと、自害する。“この子が大きくなっても、仇が誰なのか教えないで”と言い残して……。一方、一族滅亡を目論む屠岸賈は、趙氏孤児探しを開始。配下の兵士が各家庭から赤ん坊を連れ去ってゆく。程嬰宅からも妻(ハイ・チン)が抱えていた趙氏の遺児が連れ去られてしまう。赤ん坊を取られた母親たちが屠岸賈邸に集められ、その中には遺児を救おうとする程嬰の姿もあった。集めた赤ん坊のうち、親が名乗り出ない1人が程嬰宅から連れ去った子だと知ると、屠岸賈は遺児の行方を問い詰める。それが探している子だと気付かずに。集めた赤ん坊を皆殺しにすると脅され、公孫に渡したとやむなく告げる程嬰。屠岸賈は兵を引き連れて公孫宅に押し寄せると、そこにいた程嬰の妻が抱えた赤ん坊を殺害する。だがそれこそが程嬰の実子だった。公孫も妻も殺され、呆然自失の程嬰は趙氏の遺児を引き取り、“この子に息子の仇を討たせる”と誓う。そして、屠岸賈の家臣になると、そうとは気づかない屠岸賈を、遺児“程勃”の義理の父にする。屠岸賈に程勃に対する愛情を深めさせてから復讐する計画だった。数年後、少年に成長した程勃は、心配症の程嬰に反発し、屠岸賈との関係を深めてゆく。そんな程勃を“父さんはお前が生まれた時に危うくお前を失いかけて心配症になったのだ”と諭す屠岸賈。こうして15年が過ぎ、2人の父親に育てられた運命の子が、自らの出生の秘密を知るときがやって来る……。