何事にも無関心な18歳の杉田雛子(大西礼芳)は、牛乳配達のアルバイトをしている。ホームヘルパーの母・春子(松田美由紀)は、足の不自由な健一(関屋和希)の世話をして働き、父・完治(山路和弘)は会社員。どこにでもいるようなごく普通の家族だった。しかし、祖母の妙(松原智恵子)が亡くなったことをきっかけに、完治は家に引きこもり、遺影の前で酒ばかり飲むようになる。そんな父を横目に働き続ける雛子は、配達先のチャイムを鳴らすいたずらを繰り返し、春子は雛子と同い年の健一の前でしか笑顔を見せない。やがて完治は、妙が着ていた衣服を身に着けるようになる。一方、雛子は誤って春子を階段から突き落としてしまう。そんな中、健一の姉・貴子(浅見れいな)が“甘えます”とだけ書かれた手紙を残して姿を消す。春子は、唯一の家族を失った健一と暮らすと告げて杉田家を去る。次第に崩壊してゆく家族。雛子は、生前の妙から禁止されていたピアスを開ける。そして、すべてに無関心だった雛子の感情がついに爆発する。“家はね、住人の快適な生活を守るためにあるの。……私の快適な生活が守られてない”。チェーンソーを手に家を壊し始める雛子。そして友人の珠子(伊藤菜月子)や、牛乳屋のおじさん(水上竜士)も巻き込んで、事態はさらにトンデモない方向へ……。