それは1891年のこと。イギリス外相のレッドクリフ卿(ジョン・レ・メシュリエ)は、ビクトリア女王(スーザン・フィールド)から国の最重要書類を預かったが、盗まれてしまった。早速名探偵ホームズ(ダグラス・ウィルマー)が捜査にあたる。相棒のワトソン(ソーリー・ウォルターズ)と共に、彼は旅に出るといつわって、捜査に乗り出した。一応彼の留守中を弟シガーソン(ジーン・ワイルダー)に頼んで--。しかし、ホームズに弟がいたなんて、オドロキだ。ロンドン警視庁のサッカー警部(マーティ・フェルドマン)が、シガーソンの所へ早速事件を頼みにいく。と、そこへその事件の当事者ジェニー(マデリーン・カーン)があらわれた。彼女は歌手で何者かにゆすられているとか--。その様子を窓の下からうかがっていたのが、ホームズの宿敵モリアーティ教授(レオ・マッカーン)。教授は早速部下のフィニー(ロイ・キニアー)にジェニー殺害を命じるが、シガーソンが危機一髪で助ける。といっても、本当はホームズが助けたのだが……。さて、ジェニーは性的欲求不満の娘。シガーソンはそれを満たしてやり、彼女はレッドクリフが父というが、実はレッドクリフの元愛人。歌手がガムベッティ(ドム・デルイズ)に頼まれて、書類を盗み出したのだが、レッドクリフが苦悩するのを見て、彼女はシガーソンに、書類をとり戻してほしい、と言う。さて、シガーソンとサッカーが、ガムベッティ邸へ忍び込んだ。と、そこではガムベッティとモリアーティが書類の引き渡しの打ち合わせ。場所はオペラの舞台。そしていよいよ、舞台は幕を上げた。シガーソンがそこにあらわれ、舞台はメタメタ。シガーソンはモリアーティを小道具部屋においつめ、ドタバタの末、書類をとり戻すのだが、これはホームズがしくんだこと。それを知ってシガーソンはガックリ。でも彼はジェニーとメデタシ、メデタシなのでありました。