売れない映画監督のシェリー(スティーヴン・ネルソン)は、オレゴン州の呪われたホテル“ドン・パーク・ホテル”の廃墟を訪れる。巻き返しを狙って、潜入ルポ形式の恐怖ドキュメンタリーを撮影するためだった。メンバーは恋人兼プロデューサーのペイジ(クリスティーナ・アナパウ)、カメラマン担当の弟ルイス(マイケル・クリンガー)、音響担当のジャクソン(ブレット・ドノフー)とその恋人エルサ(ウナ・ジョー・ブレイド)、そしてアメリカ先住民の霊媒師の血を引き、降霊の儀式を行う美女マリア(ティナ・カスチアーニ)の合計6人。ホテル管理人ドイル(トム・サイズモア)の忠告を無視して、一行はひっそり佇むホテルに足を踏み入れてゆく。そこは、長らく放置され、不気味な雰囲気を漂わせていた。マリアが儀式の場所を探す間、ペイジはカメラに向かって血塗られたホテルの歴史を語り始める。19世紀にこのホテルを買った町長が妻と弟を惨殺し、自らも首を吊ったこと。その後、オーナーになった女性が屋上から謎の転落死を遂げたこと。さらに精神病院に改装された1940年代には、患者への残虐行為を行なった職員が死刑になったこと……。不安を口にするマリアを、シェリーが説得。全員が小さな部屋に集まり、蝋燭の灯りを囲んで“スピーク”と呼ばれる降霊の儀式が始まる。儀式は成功し、役割を終えたマリアはその場を立ち去ろうとするが、なぜか出口が閉ざされ、外部と遮断されてしまう。一同が凍りつく中、一人勢いづくシェリー。だが、彼も姿なきカラスの羽ばたきを耳にして、パニックに陥る。そして次々と発生する異常な事件。何者かに首を絞められて無残に息絶えるエルサ。ジャクソンは、何かに取り憑かれたように凶暴な振る舞いを見せ始める。命の危険を感じ、一行は脱出ルートである屋上を目指す。おどろおどろしい子供の泣き声のする廊下を歩き、地獄のような迷宮の奥深くへと進んでゆく……。