上空をアメリカ軍のヘリコプターが飛行し、地上ではアメリカ兵が偵察活動を行っているアフガニスタンの荒涼とした大地。ひとり洞窟に潜んでいたムハンマド(ヴィンセント・ギャロ)は、手に持ったバズーカでアメリカ兵を吹き飛ばして逃走する。ヘリコプターはムハンマドを追い、攻撃する。倒れたムハンマドは爆音で一時的に聴力を失くし、アメリカ軍の捕虜となる。収容所に連行されたムハンマドは、激しい拷問を受ける。さらに軍用機で別の場所に移送され、護送車で移動していたとき、深夜の山道で動物を避けそこなった車が、崖から転落するという事故に巻き込まれる。ムハンマドは、事故の混乱に乗じて逃亡を計る。民間人を殺して車を奪い、手錠を外したムハンマドは、雪に閉ざされた深い森に逃げ込む。どこまでも続く森を逃走する間も、上空にはヘリコプターが旋回し、追っ手がムハンマドの後を追っていた。深夜、故郷にいる妻と子供の姿を夢に見たムハンマドは、蟻や木の幹を食べ、製材業者のトラックにただ乗りし、木の実を食べ、襲った女の母乳を吸って、やみくもに逃げ続ける。やがて、森の中の1軒の家に辿りつく。ムハンマドは、入口で倒れる。その家でひとり暮らしている女マーガレット(エマニュエル・セニエ)は、彼を家に入れ介抱する。翌朝、女はムハンマドに馬を与え、無言で見送る。