明朝時代の中国。暗殺組織“黒石”によって時の宰相、張海端とその息子が暗殺される。“黒石”の首領、転輪王(ワン・シュエチー)の目的は、それを手中に収めた者が武術界の覇権を握ると言われている、武術の奥義を極めた達磨大師のミイラ強奪。張宰相が二つに引き裂かれた遺体の上半身を隠し持っているとの噂を聞きつけ、屋敷を襲撃したのだ。しかしその計画は思わぬ誤算によって失敗する。最も信頼を寄せる部下、細雨(ケリー・リン)が混乱に乗じて達磨の遺体を奪い、姿を消したのだ。過去との決別を願い、都へと向かう細雨。顔を変え、“曽静”(ミシェル・ヨー)という名で空き家を借り、新たな人生を歩み始める。やがて彼女の前に、阿生(チョン・ウソン)という配達人が現れる。曽静に対して好意を抱いていることが明らかな阿生だったが、不器用な性格のため、茶屋に誘うこともできない。いつしか阿生の素朴で控え目な人柄に惹かれた曽静は、ささやかな幸せを夢見て、自らプロポーズ。近所の住民に祝福されて結婚式を挙げる2人だったが、半年後、その慎ましくも温かな夫婦生活に暗雲が立ち込める。転輪王が自分を裏切った細雨の首に賞金を懸けたのだ。腕に覚えのある武術家たちがこぞって彼女を捜し始める。ある日、阿生とともに出掛けた先で、達磨の遺体の行方を追う武装集団と鉢合わせする曽静。やむなく封印していた武術で一味を叩きのめす。阿生は妻の驚くべき一面を目の当たりにしながらも、あえて身の上を詮索せず、これまでと変わらぬ愛を約束する。しかしこの一件で、曽静の正体が“黒石”に見抜かれてしまう。覚悟を決め、阿生を眠り薬で眠らせた曽静は、転輪王が放った刺客たちと対峙。その目の前に姿を現したのは、飛び道具の針を自在に操る雷彬(ショーン・ユー)、妖艶な女殺し屋の綻青(バービー・スー)、多彩な奇術の使い手、彩戯師(レオン・ダイ)の3人だった……。