ボストン警察殺人課のベテラン刑事トーマス・クレイブン(メル・ギブソン)は、久々に帰省した一人娘のエマ(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)を駅に出迎えた。24歳のエマは大学を卒業し、ワシントンDCのある企業で研修生として働き始めていた。クレイブンにとって彼女はたった一人の家族であり、自分の命よりも大切な存在だった。ある日、エマが体調を崩して、嘔吐を繰り返す。病院へ連れて行こうと彼女を抱えて玄関を出るクレイブン。だがそのとき、“クレイブン!”と呼ぶ大きな声とともに、家の前に止まっていた車からショットガンが発射される。しかし弾丸が命中したのはクレイブンではなく、エマの胸だった。家の中に吹き飛ばされる娘の身体。クレイブンはとっさに銃を抜くが、犯人の車は急発進で去ってゆく。血まみれのまま、やがて父の胸の中で息を引き取るエマ。警察は捜査を開始、クレイブンの同僚ビルが事件を担当することになった。捜査陣もマスコミも、クレイブンに恨みを持つ者の犯行で、彼を狙った弾がエマに当たったものと見ていたが、クレイブンには心当たりがない。規則によってクレイブンは捜査に加わることができなかったが、署の誰も彼を止められなかった。最愛の娘を殺した犯人を自分の手で探し出すと心に誓うクレイブン。しかし、捜査を進めるうちに浮かび上がってきたのは意外な事実。事件の裏に、エマが勤務していた軍需企業の犯罪的行為と国家の安全保障に影響を及ぼす巨大な陰謀が潜んでいたのだ。それに気付いたエマは、真実を暴露しようとして謀殺されたというのだ。真実を知ったクレイブンは、娘の仇を討つべく黒幕である軍需企業のトップに迫っていく……。