1909年、すでに作曲家として世界的に高い評価を得ていたプッチーニ(リッカルド・ジョシュア・モレッティ)は、イタリア・トスカーナ地方の湖畔の景勝地トーレ・デル・ラーゴで、新作オペラ『西部の娘』の作曲に取り組んでいた。作曲が行き詰ると、湖上に建つ酒場で気分転換をしては作曲に戻るという日々を送っていた。そんなある日、メイドとして働いていたドリーア・マンフレーディ(タニア・スクイッラーリオ)が服毒自殺を図る。プッチーニの妻エルヴィーラ(ジョバンナ・ダッディ)が、女好きで知られたプッチーニとドリーアの密通を疑い、人前でドリーアに対して過度な制裁を加えたことが原因だった。それを苦にしたドリーアは毒を飲み、その数日後に死亡した。ドリーアの遺族はエルヴィーラを告発し、このできごとはスキャンダルへと発展する。結局プッチーニとドリーアとの密通の疑いは晴れ、示談が成立する。しかし疑問が残る。女性を愛し、その生涯に様々な女性と関係をもったことが知られるプッチーニの、本当の愛人は誰だったのか? 彼の作曲したオペラのヒロインと、その折に関係のあった愛人との間には何らかの共通項があったと言われている。はたして、プッチーニにはドリーア以外に愛人がいたのだろうか?