服飾系専門学校に通う桜井遥(遠藤舞)は、2年前に父親を事故で亡くしてから、母親の杏子(井上直美)と2人でぼんやりとした生活を送っていた。そして杏子も、夫を失って以来、心に生まれた風穴を埋められずにいた。そんなある日、遥は公園で子猫を拾う。それは、猫好きの間では幻とも言われている“マンチカン”という種類の短足の猫。一度は交番に届けようとする遥だったが、あまりの可愛らしさに、結局自宅へ連れ帰ってしまう。昔、父が猫をプレゼントしてくれたことを思い出した遥は、猫を飼いたいと杏子に相談。しかし、喜んでくれると期待していた杏子から返って来たのは、“よしなさい”という思いがけない答えだった。それでも、父親の死に沈む日々から活気のある生活に戻りたいと願う遥は、マンチカンを飼うことを決意。ところが翌日、学校から戻ってくると、隠しておいたマンチカンの姿が見えなくなっていた。母が逃がしたと決めつけ、食って掛かったものの、杏子は開いていた窓から逃げたと主張。さらに、どちらにしても飼えないのだと遥に言い放つ。反発した遥は家を飛び出し、子猫のマンチカンを探すことになるのだが……。