14歳の時、カレン(アネット・ベニング)は恋人の子供を身籠るが、母親の反対で娘を手放すことになる。36年後。周囲との深いかかわりを避けてきた彼女は、介護をしながら一緒に暮らす年老いた母に対して、素直に接することができないでいた。職場で出会ったパコ(ジミー・スミッツ)はそんな彼女を理解してくれるが、関係はうまくいかない。だた、名前も顔も知らぬわが娘を密かに想い、届く事のない手紙を書き続ける日々。一方、母親の愛情を知らずに育ったエリザベス(ナオミ・ワッツ)は、弁護士として成功。孤児であることを否定するように、物事に執着せずキャリアアップの人生を歩んでいた。だが、彼女に予想外の出来事が起こる。同じ会社のボス(サミュエル・L・ジャクソン)の子供を妊娠してしまったのだ。この出来事が彼女を変える。今までのキャリアを捨て、産むことを決意したのだ。これにより、彼女はずっと閉ざしていた母の存在を意識し始める。その頃、カレンの母親が亡くなる。生前、母に対して本当の気持ちを伝えられなかったことを悔やむかのように、カレンは娘を探し始める。同じ頃、黒人女性のルーシー(ケリー・ワシントン)は、愛する夫と家庭を築きながらも、子供を産めない体であるため、養子縁組を決意。教会に登録し、ある妊婦と巡り会う。不意の妊娠で生まれてくる子供を養子に出そうとしていた女性だったが、実際に生まれると子供を手放せなくなってしまう。失意のルーシー。そこへ、登録していた教会から連絡が入る。それが、見知らぬ母と娘を結びつけることになる。若くして産んだ娘を手放したことを後悔しながら生きてきたカレン。母の愛を知らずに、拒絶することが当たり前になっていたエリザベス。母と娘の空白の36年間。決して重なるはずのない2人の人生を、一つの小さな命が引き寄せようとしていた。