1970年代のフィンランドの片田舎で、レイラ(カリーナ・ハザード)は模範囚として恩赦を受け、12年間暮らした刑務所から釈放される。身寄りのない彼女は、不本意ながら、ある牧師の家に住み込みで働くことに。盲目の牧師ヤコブ(ヘイッキ・ノウシアイネン)はレイラに、毎日届く手紙を読み、返事を書くことを頼む。自転車に乗った郵便配達人(ユッカ・ケイノネン)が届ける手紙には、些細なことから誰にも打ち明けられないことまで、様々な悩みが書かれていた。ヤコブは、その1つ1つに丁寧に返事をする。ヤコブは相談者の心のよりどころがなくならないように、別の土地に用意された立派な家に引っ越すこともなく、雨漏りのする家に住み続けていた。レイラはその仕事も好きになれず、郵便配達人のことも鬱陶しく感じ、手紙を勝手に捨てていた。郵便配達人もレイラに不信感を抱き、2人の仲は険悪になる。ある日、毎日届いていた手紙が、まったく届かなくなる。それが生きがいとなっていたヤコブは、すっかり気を落とす。レイラはヤコブの家を出て行こうと決意するが、自分には行くべき場所がないことに気づく。ヤコブはレイラに、優しく語りかける。レイラは、ただ1人自分を受け入れてくれるヤコブに、心を許し始める。レイラは郵便配達人に、手紙が届かなくなった理由を尋ねる。来ない手紙は届けられないという配達人に、レイラは明日必ず手紙を届けるように言う。しかし、手紙は届かなかった。しかしレイラはヤコブに、手紙が届いたと告げる。そして、誰にも話すことのなかったことを打ち明け始める。