1969年。エリオット(ディミトリ・マーティン)は、ニューヨーク州ホワイトレイクの実家で“エル・モナコ”という古びたモーテルを営む両親のもと、家業の手伝いに束縛される毎日に息苦しさを感じていた。34歳の若さで地元商工会の会長職も任されている彼のせめてもの願いは、大好きな音楽で町興しをすることだった。7月15日。ウォールキルの町で行われるはずだったウッドストック・フェスティバルの開催許可が取り下げられたことを知ったエリオットは、この野外コンサートをホワイトレイクに招こうと考える。事務局に電話をかけ、すぐさまヘリコプターで視察に現れた若き主催者マイケル・ラング(ジョナサン・グロフ)と意気投合。ラングは“エル・モナコ”近くの広大な草原をコンサート会場として借り受ける契約を締結する。かくしてジャニス・ジョプリン、グレイトフル・デッド、ザ・フー、ジミ・ヘンドリックスらのそうそうたる大物ミュージシャンが参加する夢のようなフェスティバルの誘致が実現した。だが、そのニュースが報道されると、ヒッピーに町を荒らされることを恐れた地元住民が一斉に反発。エリオットは酷く罵倒されるが、ベトナム帰還兵の親友ビリー(エミール・ハーシュ)、前衛劇団の座長デヴォン(ダン・フォグラー)らがエリオットを勇気づけるのだった。ステージの設営作業が急ピッチで進められ、遂に訪れたフェスティバル初日の8月15日。“エル・モナコ”近くの湖は一糸纏わぬヒッピーたちであふれ、さながらヌーディスト・ビーチと化していた。そのほとりで耳をすますと、かすかに演奏が聞こえてくる。いよいよ3日間にわたる歴史的なフェスティバルが開幕したのだ。エリオットは開場に向かって歩き出すが、その道は、全米各地から殺到した無数の人々と車やバイクでぎっしりと埋め尽くされていた。この瞬間の歓びを謳歌しようと、若者たちが愛や平和を語らい、音楽に身を躍らせていた……。