インタビューを受ける25歳のジャン=ミシェル・バスキア。80年代のアート界に新風を吹き込んだ彼が、すでにアーティストとして認められ、スターの座にのぼりつめていたころの映像だ。充実した表情に、ときおり笑顔を見せながら、リラックスした雰囲気でインタビューを受けているが、彼はこの2年後にこの世から去ることになる。本作は、バスキアの友人であったタムラ・デイヴィス監督が、20年以上公開しなかったバスキア本人へのインタビュー映像を軸に、彼の栄光と挫折を描いている。70年代のニューヨークで十代後半のバスキアは、友人とグラフィッティ(落書き)から画家としてのキャリアをスタートさせた。80年代アートシーンと、友人やギャラリーのオーナーなど、彼と深くかかわりのあった人物たちに話を聞きながら、バスキアがいかにしてスターダムにのぼりつめ、終焉を迎えたのか、彼の素顔と真実に迫る。バスキアは輝かしいアーティストとして才能を認められ、華やかな世界でもてはやされていた一方、黒人として人種差別に苦しんでいた。1960年12月22日に誕生し、1988年8月12日、27歳の若さでこの世を去ったバスキア。果たして彼の真実とは?