エリック・ビショップ(スティーヴ・エヴェッツ)はマンチェスターの郵便配達員。7年前に出て行った2度目の妻の連れ子、10代のライアン(ジェラード・キーンズ)、ジェス(ステファン・ガンブ)との3人暮らし。人生失敗続きで、特にこのところ元気をなくしていた。そんなある日、彼は交通事故を起こしてしまう。翌日、病院から帰宅するが、家では子供たちが好き放題。落ち込むエリックには、郵便局の仲間たちの励ましも効果ない。その夜、彼は自室でサッカーのスーパースター、エリック・カントナのポスターに向かって話しかける。“俺の憂鬱の理由がわかるか?一生後悔するような失敗をしたことは?”……すると背後から、“君はどうだ?”と尋ねる声が。振り向くと、そこに立っていたのはカントナ(エリック・カントナ)本人だった。エリックの憂鬱の理由は最初の妻リリー(ステファニー・ビショップ)。30年前に恋に落ち、娘のサム(ルーシー・ジョー・ハドソン)が生まれたが、すぐに別れて以来、会わずにいた。今になって、子育てしながら大学に通うサムのために孫娘デイジー(コール&ディラン・ウィリアムズ)を預かることになり、リリーと再会。ところが、以前と変わらぬ美しい姿を目にしたエリックは、彼女に会うことができず、動揺して事故を起こしたのだ。自信喪失のエリックにカントナは“髭を剃って会いに行け”とアドバイス。その忠告のお陰で、ようやくリリーに話しかけることができた。カントナの励ましと助言に従い、少しずつリリーとの距離を縮めていくエリック。2人の間には温かい気持ちが通うようになり、遂にリリー、サム、デイジーを食事に招待する。だが、その一方で新たな厄介事が。ライアンが、ギャングから預かった拳銃を家の中に隠し持っていたのだ。エリックは家族と愛するリリーを守るために、カントナの励ましに背中を押され、仲間たちと共に一世一代の賭けに出る。