フランス北部の街、ルーベ。アベル(ジャン=ポール・ルシヨン)とジュノン(カトリーヌ・ドヌーヴ)のヴュイヤール夫婦が最初に授かった子供は、男の子ジョゼフ。その2年後には長女エリザベートが誕生。だがジョゼフは幼稚園の時、白血病と診断される。治療法は骨髄移植だけであったが家族の誰も骨髄が不適合、長男を救うため夫婦は次男アンリをもうける。ところが彼の骨髄も適合せず、ジョゼフは6歳で亡くなってしまう。それから数十年、ヴュイヤール夫婦はすでに初老にさしかかっていたが、ある日ジュノンにジョゼフと同じ病気が見つかる。クリスマス。母の病気をきっかけに、疎遠になっていた子供たちが家に集まってきた。長女エリザベート(アンヌ・コンシニ)は戯曲家として成功し、優秀な数学者の夫クロード(イポリット・ジラルド)がいるというのに、彼女の心にはいつも悲しみと怒りがあった。彼女は母のために骨髄検査を受けるが、不適合と診断される……。次男アンリ(マチュー・アマルリック)は、恋人フォニア(エマニュエル・ドゥヴォス)を連れ立って久しぶりに家族のもとを訪れる。妻を亡くしてからアル中だった彼は、5年前に詐欺まがいの劇場買収で多額の借金を重ね、それを肩代わりした姉エリザベートに代償として家族からの追放を言い渡されていた……。三男で末っ子のイヴァン(メルヴィル・プポー)は、若い頃は病的に内気で友達もなく、アンリと従兄弟のシモン(ローラン・カペリュート)だけが遊び仲間だった。今では妻シルヴィア(キアラ・マストロヤンニ)や小さな息子たちと暮らしているが、イヴァンはシモンやアンリが、シルヴィアを好きだったことを知っている。もしかしたら、シルヴィアが本当に愛するのは自分ではなかったということも……。アベルは、骨髄移植の危険を怖れていたジュノンを叱咤し勇気づける。やがてジュノンは、アンリの骨髄を受け入れることを決意するのだった……。