カナダで働くオドレイ(マリナ・ハンズ)は、フランスの片田舎・アルカションに帰省する。カナダでは第一線で働いてキャリアを積み、恋も自由に楽しんでいた。しかし、恋人ではないトムの子供を妊娠してしまう。自分たちは結婚には向いていないし、母親になることも不安で、何より仕事を犠牲にしたくないという思いから、オドレイは出産するか悩んでいた。母マルティーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、実家に併設された病院で医師として忙しそうに働き、父は優しくオドレイを迎えてくれた。オドレイは妊娠していることを打ち明けず、両親との再会を楽しむはずだったが、マルティーヌとオドレイはなぜかぎこちなくなってしまう。翌日、オドレイは海辺に佇む1軒の白い家を見つける。それは亡き祖父の家で、今は誰も住んでいなかった。カナダを発つ前に任された仕事に集中するため、オドレイは患者の出入りの多い実家ではなく、祖父の家に滞在することにする。ある日、オドレイは祖父の家のキッチンで、1冊の古い日記を見つける。それは、50年前、突然姿を消した祖母ルイーズ(マリ・ジョゼ・クローズ)が書いたものだった。そこには家族のために作った料理のレシピとともに、子供たちへの深い愛と、ルイーズの秘めた想いが書かれていた。