1808年晩夏、フランス・ブルゴーニュ地方の葡萄農家ソブラン(ジェレミー・レニエ)は、村娘セレスト(ケイシャ・キャッスル・ヒューズ)と恋に落ちる。しかし、彼女の父が精神に異常を来していたため、ソブランの父は2人の交際を禁じる。醸造家になりたいソブランはヴリー伯爵に自身を売り込むが、相手にされない。落胆し、夜の葡萄畑をさまよっていると、天使ザス(ギャスパー・ウリエル)が現われる。ザスは人生と愛についての助言を与え、1年後、ソブランの結婚を祝福するため戻ってくると約束する。ソブランはセレストと結婚し、彼女は最初の子供を身ごもる。1年後、ザスはソブランに、ザスの庭の葡萄樹を与える。ザスは毎年同じ夜、同じ場所で再会することを求め、ワイン造りの奥義をソブランに語る。翌年、ソブランは家の近くの土地を開墾し、葡萄樹を植える。ソブランは資金を得るためナポレオン軍の遠征に参加し、数年かけて家に戻る。しかし葡萄畑は荒れ果てていた。ザスはソブランに、最高のワインを造るためには人生の全てが必要だと諭す。ソブランは再び葡萄作りに精を出し、1815年、最初のワインを造る。ソブランのワインはヴリー伯爵や、伯爵の姪でパリから戻ってきた男爵夫人オーロラ(ヴェラ・ファーミガ)の目に留まる。しかしワイン造りにかける野心は、ソブランの生活を苦しめた。セレストは次女を亡くしたことをきっかけに、精神を病む。ヴリー伯爵が亡くなると、ワイナリーを引き継いだオーロラはソブランをチーフ醸造家として迎える。2人はパリでも評判となるワインを造る。セレストは夫とオーロラの関係を邪推し、嫉妬心に苛まれる。ザスの秘密を知ったソブランの心が揺れると、彼もワインも苦くなる。オーロラは癌の大手術を受け、セレストは心を病む。葡萄樹は19世紀のフランスを襲った病害に冒され、葡萄畑を炎が包む。しかし、ザスから送られた1本の葡萄樹は生き残る。ソブランは葡萄づくりを再開し、至高のワインを完成させる。