<ツキモノ>就職に対して漠然とした不安を抱える大学3年生の桐島あゆみ(真野恵里菜)。志望企業の二次面接を終え、授業に出ようと学校に向かうバスに乗車した彼女は、靴も履かずに素足のまま乗り込んできた奇妙な女と遭遇する。体を小刻みに震わせ、大きなしゃっくりを繰り返す女に、思わず“大丈夫ですか?”と声を掛けるあゆみ。女の口から出たのは“…背負う気あんの?”という、返答とも独り言ともつかない言葉。気味悪くなったあゆみは急いでバスを降り、友達の待つ教室に向かう。だが、いつの間にか大学内に侵入した女は、授業中の教室の窓の外に現れる。ざわめく学生たち。化け物のように爛々と輝く女の瞳。その視線が怯えるあゆみを捉える……。<ノゾミ>高校生の藤沢めぐみ(真野恵里菜)は、幼い頃のある記憶に苛まれていた。それは彼女の11歳の誕生日、幼い妹ののぞみが深い森に囲まれた冬の湖で水死したことだった。以来、誕生日が近づくたびに、不可解な幻覚に襲われ続けてきためぐみ。登校拒否を続ける自分を、腫れ物に触れるかのように扱う母親(秋本奈緒美)との息が詰まるような毎日。臨床心理士のカウンセリングを受けても心は晴れない。孤独なめぐみを襲う幻覚は次第に激しさを増し、得体の知れない恐怖はますます強くなってゆく。ある日、母の旧友の霊能力者がめぐみの家を訪れる。彼女は、めぐみに小さな女の子の霊が取り憑いていると言い、“今のままでは近いうちに死ぬ”と警告する。