近未来。政府は財政破綻を宣言、世界各地で戦争が続く中、人工臓器の移植は巨大ビジネスと化し、供給元のユニオン社は心臓や腎臓、肝臓から眼球や鼓膜、膀胱まで様々な“商品”を高利ローンで売りさばき、莫大な利益を上げていた。購入者のローン支払いが一定期間滞った場合は“レポゼッション・メン(通称レポ・メン)”が債務者から手際良く、そして情け容赦なく人工臓器を取り立てる。それは時に債務者の死を意味するが、全ては合法的に行われていた。その昔、レミー(ジュード・ロウ)は親友ジェイク(フォレスト・ウィテカー)と共にユニオン社に就職。常に冷徹に仕事をこなし、超一流のレポ・メンとなってボス、フランク(リーヴ・シュレイバー)の信頼を得ていた。だがある日、債務者の人工心臓を停止させる電気ショック装置がショートし、レミーは吹き飛ばされて気絶する……。彼が病院のベッドの上で目覚めると、ユニオン社の人工心臓に繋がれていた。自分が債務者になるなどゴメンだと思いながらも、自前の心臓は既に使い物にならなくなっている。まもなくレミーは回収の仕事に復帰するが、いざ取り立ての段になると手が震え、メスを振るえない。成果を上げられぬまま時は過ぎて支払いは滞り、遂には最後通告が届く。しかしレミーはジェイクがお膳立てしてくれた簡単な回収作業さえやり遂げられず、それどころ彼は仕事を放り出し、ドラッグの禁断症状で倒れていたクラブ歌手ベス(アリシー・ブラガ)を救うという自分でも意外な行動に出るのだった。ベスは10個の人工臓器を持ち、その代金を払えぬまま逃亡生活を続けていた。今やレミーもレポ・メンに追われる身。互いの孤独に共鳴し、惹かれ合いながら二人は廃墟に潜み、生き延びるための策を練る。かつての親友ジェイクに追われる中、レミーは全てを清算するために、自分とベスの顧客データを書き換えるべくユニオン社ビルへ潜入する……。