3年前のクリスマス・イヴに夫を殺害された痛ましい過去を持つ精神分析医のカーラ(ジュリアン・ムーア)は、神への信仰を捨てることなく、幼いひとり娘サミー(ブルックリン・プルー)を心から愛していた。ある日、カーラは同じく精神分析医の父・ハーディング(ジェフリー・デマン)に、デヴィッド(ジョナサン・リス・マイヤーズ)という患者を紹介される。ハーディングは頑なに解離性同一性障害(多重人格障害)の存在を否定するカーラの考えを変えようと、その症状が認められるデヴィッドを彼女に引き合わせたのだ。カーラは目の前でデヴィッドとアダムという二つの人格を目撃するが、彼が作為的に演じているに違いないと診断する。カーラは自らの見立てを証明するため、本格的な調査を開始。だが、デヴィッドの母・バーンバーク夫人(フランセス・コンロイ)の話から、デヴィッドは25年前に何者かに惨殺されていたことが判明する。そんな中、デヴィッド、アダムに続くウェスという第三の人格が出現。ロックバンドのメンバーだったウェスは13年前に死亡しており、そのときアダムは刑務所に収監されていたことがわかる。カーラがアダムの住んでいた家を訪ねると、そこには背中に十字架のような傷が刻まれた男性の死体が放置されていた。さらにアダムは第四の人格チャーリーに豹変。彼は謎の死を遂げたばかりの医師であった。あまりにも不可解な状況に背筋を凍りつかせながらも、カーラはアダムとその交代人格たちが、なぜか会話を交わす相手の“信仰”に執着しているという共通点を探りあてる。やがて十字架のような奇妙な記号が一連の謎を解く鍵だと睨んだカーラは、バーンバーク夫人の助言に従って、ある山奥の集落に向かう。そこではグラニー(ジョイス・フューリング)という祈祷師の老婆が、例の記号が記された壺を使用して儀式を行っていた。その壺は、人間の“魂”を封印するシェルターであった……。