ミラノで絵の修行をしていたカラヴァッジョ(アレッシオ・ボーニ)は、コロンナ公爵夫人の援助を得て、芸術の都ローマにやってくる。知り合った画家のマリオ(パオロ・ブリグリア)をモデルに絵を描いて暮らすが、日々の糧にも困る惨状。そんな彼に救いの手を差し伸べたのはデル・モンテ枢機卿(ジョルディ・モリャ)。枢機卿の援助で生活の安定を得たカラヴァッジョは、高級娼婦フィリデ(クレール・ケーム)をモデルに絵を描く機会を得る。フィリデは彼の絵に感銘を受け、2人は激しく愛し合う。続いて彼女をモデルに『ホロフェルネスの首を斬るユディト』を完成させたカラヴァッジョだったが、娼婦としての彼女を受け容れられず、別れが訪れる。こうして放蕩に明け暮れていたところ、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂の絵画制作を依頼され、『聖マタイの召使』『聖マタイの殉教』を完成。これによりローマ中の賞賛を浴びる。さらに『聖マタイと天使』を描くものの、聖人が人間的過ぎると言う理由で教会が受け取りを拒否。街角の喧嘩にその悔しさをぶつけるのだった。その頃、デル・モンテ枢機卿は教会内での力を失ったため、カラヴァッジョは宮殿を出て街の娘レナ(サラ・フェルバーバウム)とともに暮らす。レナの信頼と愛情に、彼は安らぎを覚える。だが、レナを教皇に献上する絵のモデルにしたことで非難を浴び、怒りに任せて行った決闘で重傷を負う。コロンナ公爵夫人の看病で一命を取り留めるが、そこへ死刑宣告の通達が。公爵夫人の息子の計らいでマルタ騎士団の庇護を得てマルタに渡り、さらにシチリアへ。そこでマリオと再会し、残った力を振り絞るように絵に取り組む。やがて、枢機卿や公爵夫人の助命嘆願が功を奏し、教皇から恩赦の知らせが届く。ローマに戻れる喜びに震えるカラヴァッジョ。だが、ローマに戻る途中、港で誤認逮捕されてしまう。離れていく船に追いつこうとする彼に、死の影が忍び寄る……。