狩矢家は、法で裁けぬ悪を討つという前時代的な正義観で戦うことを900年間、家業としてきた仕事人一族である。一方、女系家族の京本家は、狩矢家などの仕事人一家をまとめ、彼らの仕事を統括してきた元締め一族だった。狩矢家の息子・俊光(南秀治)は、現役で家業を行っている父や祖父とは裏腹に、仕事人という家業を継ぐことを拒み、どう逃れるかに必死になっていた。俊光の初恋の相手である京本家の娘・麻耶(天正彩)も、同様の思いを持っていた。2人は、家族たちと異なり、普通に生きたいと互いに誓い合っていた。俊光の親友・英司(磯貝龍虎)は、幼少期に両親を殺されていた。そして俊光と親の仇を討つと約束するが、英司はその夢を果たせぬまま、この世を去る。しかし俊光は、その約束さえ風化させていた。こうして俊光は、恋人の霊感が異常に強いということ以外は、平凡な人生を手に入れることに成功する。しかし、疎遠にしていた実家から、俊光に連絡が入る。俊光の父が“仕事人返し”に遭い、瀕死の状態になっているという。それを聞いた俊光は意を決して実家に帰り、自らが背負うべき大きな運命の波に立ち向かっていく。