78歳のカールじいさん(声:エド・アズナー)は、最愛の妻エリー(声:エリー・ドクター)を亡くしてから、小さな家でひっそりと暮らしていた。そこは、幼いときに出会ったカールとエリーの思い出が詰まった大切な家。だが、妻の思い出に固執するあまり、今や家に引きこもり、自ら決めた日課や規則正しい生活を繰り返すだけの、意固地な老人になっていた。開発地区に指定された家の周囲では大規模な工事が始まり、カールも家もすっかり取り残された存在。やがてカールにも立ち退き要求が。大切な家や生活、全てを失いそうになったとき、彼は人生最初で最後の旅を決意する。その方法は、家に無数の風船をつけ、家ごと大空に飛び立つというものだった。目的地は、地球上で最も美しいといわれる南米にある伝説の滝“パラダイス・フォール”。そこは子供の頃、カールがエリーといつか一緒に行こうと誓いながら、果たせなかった約束の場所だった。さらに、この旅には思わぬ同行者がついてきた。それは、飛び立つとき偶然乗り合わせた、好奇心旺盛な近所の少年ラッセル(声:ジョーダン・ナガイ)。こうして、ラッセルを連れたカールは、空飛ぶ家で想像を超えた冒険の旅に出ることとなった……。