空港の滑走路の外れに真っ赤な服を着て倒れている女がいる。やがて気がついた彼女は、腹部についた多量の血に、誰を殺したのかと驚き恐怖にかられるも、小川でそれを洗い流しアンヘルスヘ向かうタクシーの中で、これまでの出来事を思い出そうとする。名前はクレア(エレン・バーキン)。夫デル(マーティン・シーン)のプロデュースするスカイダイビングのショーを演じる5日前に彼女のもとに届いたかつての恋人でもあり綱渡りの師でもあったオーグスティン(ガブリエル・バーン)からの手紙を見て、ショーの前日までに戻ると言い残してここスペインの地にやって来たのだった。しかしアンヘレスの村ではオーグスティンも彼の妻マリー(イザベラ・ロッセリーニ)も彼女には冷たかった。金もなく街をさまようクレアは、ふと飛び込んだイギリス人写真家キット(ジュリアン・サンズ)のパーティの席でナンシー(ジョディ・フォスター)という女と出会い、クレアは彼女とキットとひとつベッドで眠るが彼女には隣の2人のセックスがまるで別世界の出来事のように感じられるのだった。しかしナンシーが彼女を病院に入れるように勧めているのを聞いたクレアは、発作的に彼らのもとを飛び出し再びオーグスティンを訪ねた。そこで彼女は彼と抱きあい、恍惚の時を過ごす。しかしそこへナイフ片手に姿を現わしたマリーは、クレアに向かって襲いかかってくる…。殺されたのはクレアだった。彼女の見たものは束の間の<シエスタ>、まどろみの中の出来事だったのだろうか。