まだ小さな少女、ガブリエル・シャネル(オドレイ・トトゥ)は、フランスの田舎にある孤児院に姉と一緒に入れられ、毎週日曜、決して来ることのない父親の迎えをひたすら待ち続けた。その後、彼女はナイトクラブの歌手となり、酔った兵士相手にか細い声で歌い、その一方で、慎ましいお針子として田舎の仕立屋の奥でスカートのすそを縫う日々を送っていた。ある日、将校のエティエンヌ・バルザン(ブノワ・ポールブールド)と出会ったガブリエルは、彼の愛人となるが、その生活は退廃的で退屈なだけであった。そんな中、彼女は突然恋に落ちる。相手はイギリス人実業家のボーイ・カペル(アレッサンドロ・ニボラ)。その想いに報いてくれた彼だったが、結婚は叶わず、ガブリエルは自分が生涯、誰の妻にもならないことを悟るのであった。自分が生きる時代のしきたりを息苦しく感じていた彼女は、男性たちの服を身にまとってみせる。ガブリエルは、ファッションを通して女性を解放、世界中を魅了し、やがて伝説のファッション・デザイナー、ココ・シャネルとなるのであった。