1947年、シカゴ。若い野心家のポーランド系移民レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)はサウスサイドでバーを経営していた。そこで出会ったのは、物静かなギタリストのマディ・ウォーターズ(ジェフリー・ライト)と、衝動的で派手なハーモニカ奏者リトル・ウォルター(コロンバス・ショート)。彼らのブルースサウンドに魅了されたチェスは、急激に発展しつつあるレコードビジネス・ブームに乗っかろうと、2人を雇う。発売されたアルバムは、徐々にR&Bチャートを上昇し、ラジオでも繰り返し流されるヒット曲となっていく。1955年になると、独特の演奏スタイル“ダック・ウォーク”でロックンロールの創始者となったチャック・ベリー(モス・デフ)や、才能豊かな若い女性アーティストのエタ・ジェイムズ(ビヨンセ・ノウルズ)など、所属アーティストが続々とアメリカの音楽業界の中心に躍り出ていく。チェスは彼らを家族同様に扱い、ヒットの褒美にキャデラックを買い与える。わが世の春を謳歌するチェスだったが、時代は次第に変わっていった……。