淳(中村誠治郎)は、親友の志郎(根本正勝)、舎人(椎名鯛造)と一緒に、念願だった小さなショップを都内にオープンする。だが、客足はイマイチで、閑古鳥が鳴く状態。暇つぶしにネットサーフィンをしていた淳は、あるホームページに目を止める。そこに掲載されていたのは、女性的かつ繊細なタッチで描かれた絵だった。そのいずれもが、窓辺から見える風景を描いたもの。その絵に魅せられた淳は、サイトの管理人宛にメールを送信する。メールを受け取ったのは美沙(秋山莉奈)という少女。普段、メールが届くことの少ない美沙は、喜んで淳に返信する。そうして何度かメールをやりとりするうちに、打ち解けていく2人。やがて、美沙の住む街に興味を持った淳は、彼女の元を訪れる。だが、そこで彼が見たのは、車椅子に乗った美沙の姿。彼女は、ALSという10万人に1人の確率で発症する神経変性疾患を患っていたのだ。それは、病状の進行がきわめて速く、有効な治療法が確立されていない難病だった。発症後3年から5年で死亡するという難病に侵されながらも、前向きに生きる美沙に心の底から惹かれてゆく淳。しかし、病魔は容赦なく美沙を襲う。彼女はやがて、筋力の低下で筆を握れなくなってしまう……。