戦争やテロによって秩序が崩壊した近未来。大金と引き替えにあらゆる危険な仕事をこなしてきた孤高の傭兵トーロップ(ヴィン・ディーゼル)は、新セルビアの集合住宅に身を潜めていた。血生臭い日常に疲れきっていた彼が最後の仕事としてマフィアのボス・ゴルスキー(ジェラール・ドパルデュー)から引き受けたのは、ある若い娘を6日間でアメリカまで運ぶというミッション。モンゴルに赴いたトーロップは、新興宗教団体ノーライト派の修道院で、オーロラ(メラニー・ティエリー)と彼女の保護者というシスター・レベッカ(ミシェル・ヨー)と対面する。3人はロシア・カザフスタン国境の町トロイツクからウラジオストクへと列車で移動、そこでオーロラの身を狙う謎の一味に急襲されるが、大乱闘の末にトーロップは彼女を奪還する。一行は密輸業者フィン(マーク・ストロング)の手引きで潜水艦に乗り込み、ベーリング海峡を渡った。アラスカに上陸した4人は、スノーモービルでカナダ国境をめざすが、その途中、襲撃を受けたトーロップが大怪我を負う。トーロップはオーロラの応急処置で意識を取り戻し、裏切り行為を働いたフィンを射殺する。国境越えに成功し、雪原に張ったテントで一夜を過ごした3人は初めて心を通わせ、家族のような絆が芽生え始めた。だが、目的地のニューヨークに到着したトーロップは、この任務に隠された陰謀に気付く。ノーライト派の狂信的な教主(シャーロット・ランプリング)が、オーロラの特殊能力を利用して地球の未来を揺るがそうとしているのだ。そして、オーロラ自身の肉体にも衝撃的な異変が起こっていた。出生の秘密を隠し持つオーロラをノーライト派に引き渡すか、彼女を守るべきか、かつて仕事に私情を挟んだことのないトーロップは究極の決断を迫られる……。