イタリア中部の町ヴィテルボ。墓地脇の工場現場から土中深く埋葬された19世紀の棺と遺品入れが発見される。棺に刻まれた名はオスカー・デ・ラ・バレー。それは忌まわしい伝説の幕開けだった……。ローマの古代美術館で考古学の研究をしているサラ(アーシア・アルジェント)は、館長のマイケル(アダム・ジェームズ)が不在の間、副館長のジゼル(コラリーナ・カタルディ・タッソーニ)に誘われ、ヴィテルボから届いたオスカーの遺品入れを開けてしまう。そこには闇の彼方に葬られた邪悪な魔女“涙の母”を復活させる不気味な彫像と古代文字を印した法衣が納められていた。封印を解かれ、現代に甦った魔女はジゼルを惨殺。サラは現場に駆けつけた刑事たちに事情を説明するが、逆に不審がられ異常者ではないかと疑われてしまう。一方、持ち去った法衣を纏い、完全復活を遂げた“涙の母”(モラン・アティアス)はローマに呪いを放ち、その妖力に覆われた町では、次々と自殺や殺人、暴動が起こった。遺品入れの秘密を知るサラとマイケルにも魔手が伸び、魔女一味に誘拐された幼い息子ポールを必死で捜し回るうち、マイケルは敵の手に落ちてしまう。混沌を極めるローマを離れ、悪魔祓いの専門家ヨハネス神父(ウド・キアー)の下に身を寄せたサラは、そこで衝撃的な事実を告げられる。“涙の母”は“ため息”、“暗闇”という名の姉妹と共に千年前に魔術を生み出した三母神のひとりであり、事故死したはずのサラの母エリザ(ダリア・ニコロディ)は、かつて三母神と戦って命を落とした有能な白魔女だったというのだ。そして、オスカー・デ・ラ・バレーは教皇庁と繋がりのあった貴族で、魔女復活の儀式に必要な道具を運ぶ旅の途中で命尽きた悲運の男だった。錬金術師デ・ウィット(フィリップ・ルロワ)の助けを借り、霊界からの母の導きで白魔女として覚醒したサラは、世界を破壊し尽そうとする“涙の母”の館に潜入する……。