タリバンの手によって歴史的遺産の大仏が破壊されたアフガニスタンのバーミヤン。6歳の少女バクタイ(ニクバクト・ノルーズ)は、隣に住む男の子アッバス(アッバス・アリジョメ)が学校で習った面白いお話を読むのを聞いて、自分も学校に行きたいと考える。通学に必要な鉛筆とノートを買うためにバクタイは町に向かうが、お金を持っていないので鳥の卵を売ろうとする。卵を買ってくれる人はなかなか見つからなかったが、苦労の末、何とかノート一冊を手に入れる。鉛筆はお母さんの口紅で代用することにして、バクタイは心を弾ませてアッバスと学校へ向かう。だが、着いたところは男子校。女子用の学校は川の向こう岸、と冷たく追い払われてしまう。1人で女子学校へ向かう途中、通りかかったのは破壊された大仏跡。そこにいた少年たちはバクタイを取り囲み、ノートを取り上げてしまう。次々と紙飛行機に姿を変えていくノート。空を舞うその様子は、爆撃機の空襲のようだった。タリバンを真似た“戦争ごっこ”でバクタイをいじめる少年たち。そこへバクタイを探してアッバスがやってくるが、彼も泥の水たまりに突き落とされてしまう。少年たちの隙をついて逃げ出すバクタイ。何とか女子用の学校へ辿り着いたものの、席が一杯で座る場所がない。無理やり体を押し込んで席を取り合っているうちに、バクタイの持ってきた口紅でお化粧ごっこが始まる。騒ぎに気付いた先生によって、またまた追い出されてしまうバクタイ。その帰り道、アッバスと再会。手をつないで帰ろうとする2人は、またいじめっ子の少年たちに見つかってしまう。テロ犯だから殺す、と追いかけてくる少年たち。銃に撃たれて死んだフリをしたアッバスは、逃げるバクタイに叫ぶ。“自由になりたいなら、死んだフリをするんだ!”少年たちに取り囲まれたバクタイは、破壊された大仏のように倒れるのだった。