かつて、夜空の美しさから“星の降る町”と呼ばれた北海道の小さな町。19歳の菜月(戸田恵梨香)はある日、幼なじみの颯太(加藤和樹)と再会する。だが、颯太の引越しがきっかけで2人が離れ離れになって、すでに11年。突然姿を現した颯太に、菜月は戸惑いを覚える。自閉症の弟、大輝(若葉竜也)は、父親の死をきっかけに精神的な障害が進み、今は施設暮らし。時々施設を抜け出しては、かつて父が経営していた廃屋同然のプラネタリウムにやってくる。そのたびに弟を連れ戻しに行く菜月。彼女にとっては、いつしか大輝の世話をすることが日常になっていた。それを自分の運命と言い聞かせ、受け入れる日々。父親の死以来、心から笑うこともなくなっていた。そんな彼女の心に、少しずつ入りこんでくる颯太。彼は積極的に菜月と大輝を外へ連れ出し、2人の笑顔をビデオに収める。その強引さに困惑しながらも、次第に惹かれていく菜月。3人の楽しい日々が続き、菜月は明るい笑顔を取り戻していく。だがある日突然、颯太は“そろそろ東京に帰る”と告げる。ショックを受ける菜月だったが、そんな彼女に颯太はデートを提案。初めての2人きりのデートの日、菜月は約束の場所で待つ。だが、颯太は現れなかった。不審に思う菜月だったが、颯太とは全く連絡がとれなくなってしまう。その後、思いも寄らぬ事実を知らされる菜月。それは、あまりにも切ない運命だった……。