1955年7月、メキシコ。持病の喘息を抱えながらも、ラテン・アメリカの貧しい人々を救いたいと南米大陸の旅を続けるアルゼンチンの医師エルネスト・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)と、独裁政権に苦しむ故国キューバの革命を決意するフィデル・カストロ(デミアン・ビチル)は、フィデルの弟ラウル(ロドリゴ・サントロ)を介して運命的な出会いを果たす。キューバで革命を起こすことを決意した二人は翌年の11月、わずか82人で海を渡りキューバに上陸するが、壮絶な緒戦の末、生き残った仲間は12人。一方、迎え撃つ独裁者バティスタ将軍の軍隊は2万人であった。しかし、カストロ率いるゲリラ軍は、次第にキューバの人々に受け入れられていく。その中心にいたのは、チェという愛称で呼ばれ、軍医としてゲリラ軍に参加したチェ・ゲバラだった。彼は、山中にあっても農民たちに礼節を尽くし、女性と子供には愛情を持って接し、若き兵士に読み書きを教え、裏切り者には容赦ないが、負傷兵には敵味方の区別なく救いの手を差しのべた。やがてその類まれなる統率力を認められ、司令官として部隊を率いるチェ・ゲバラ。後に妻となる女性戦士アレイダ・マルチ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)にも支えられながら、彼の部隊はカストロからキューバ革命の要となる戦いを任せられる。それは、大都市サンタクララを陥落しキューバを分断せよ、という指令だった。そして1959年1月1日、チェ部隊がサンタクララを占領。バティスタ独裁政権は崩壊する。彼らはこの瞬間、強者の圧制がまかり通る世界の現実を変えたのであった。