1960年代、フランス。脱獄した大物ギャング、ギュ(ダニエル・オートゥイユ)は、亡き相棒の愛人マヌーシュ(モニカ・ベルッチ)や暗黒街の仲間たちに会うためにパリへ向かう。だが、街の様相は一変していた。頭角を現していたのは、私利私欲のために堅気の人間を襲うことも厭わない、顔役ヴァンチュール(ダニエル・デュヴァル)の弟ジョー・リッチ(ジルベール・メルキ)。マヌーシュと彼女の用心棒がその一味の襲撃を受けたとき、現れたギュが窮地を救う。静かに闇に葬られるチンピラたち。暗黒街の変わりように失望した彼は、マヌーシュを連れて国外逃亡を企てる。マルセイユに移った二人の間には、いつしか愛が芽生えていたのだった。そこで、彼は逃亡資金を得るため、昔馴染みの一匹狼オルロフ(ジャック・デュトロン)の持ちかけた金塊強奪計画に加わる。だが、その首謀者はヴァンチュール。計画は成功するが、ギュはパリ市警のブロ警視(ミシェル・ブラン)に捕らえられる。頭脳明晰なブロ警視の罠にはまった彼は、首謀者ヴァンチュールの名前を吐いてしまう。これによって仲間から裏切り者の汚名を着せられたギュは、屈辱を晴らすべく、再び脱獄。一方、兄を捕らえられたジョーは、裏切り者の始末にオルロフを差し向ける。暗黒街に姿を現したギュは、マヌーシュへの愛を胸に最後の大仕事に挑む……。