スイスの小さな村に暮らす80歳のマルタ(シュテファニー・グラーザー)は9か月前に夫に先立たれ、意気消沈したまま過ごしていた。心配した友人のリージ(ハイジ=マリア・グレスナー)、フリーダ(アンネマリー・デューリンガー)、ハンニ(モニカ・グプサー)は彼女を元気づけようと考える。マルタが縫製をしていたことを知ったリージたちは、破けた村の合唱団の団旗の修復を依頼する。彼女たちと生地を買いに出掛けたマルタは、生地屋で美しいレースを見て、叶えられなかった夢を思い出す。それはパリのシャンゼリゼ通りに、自分で刺繍をしたランジェリーの店を出すことだった。マルタは夢を叶えるため、息子で牧師のヴァルター(ハンスペーター・ミュラー=ドロサート)に内緒で計画を進める。彼女を手伝うのは、未婚の母リージだけだった。老人ホームにいるフリーダや、息子から体の不自由な夫とともに施設に追いやられそうになっているハンニは、マルタの行動を理解できなかった。ある日、ハンニの息子で保守派政党のフリッツ(マンフレート・リヒティ)が合唱団の団旗を取りに来て、ランジェリー・ショップの計画を知ってしまう。保守的な村の伝統が汚されるとフリッツは激怒する。噂はすぐ村中に広がり、皆の笑い者になったヴァルターは商品をゴミ箱に捨ててしまう。それでも夢の実現に向けて困難に立ち向かうマルタの姿を見て、ハンニとフリーダはマルタを手伝うことを決め、彼女たちもまた変化し始める。ハンニは夫と自立するため自動車教習所へ通い、フリーダは老人ホームで知り合ったルースリに誘われ、ホーム内のパソコン教室に参加する。村にはランジェリー・ショップの顧客がいなかったので、フリーダはインターネットで販売することを思いつく。すると、瞬く間に注文が舞い込んでくる。夢を諦めず挑戦していくマルタと友人たちの姿に、最初は冷笑していた村の人々にも変化が訪れる……。