ある朝、パスカル(パスカル・ラモリス)は、街灯に引っ掛かっているひとつの赤い風船を見つける。パスカルは街灯によじ登って風船を手に取り、いつものバスで学校へ行こうとするが車掌に断られてしまう。仕方なく風船を持ったまま走って学校へと向かい、門番に風船を預けてパスカルは教室へ入っていった。放課後、しっかりと風船の紐を握って帰るパスカル。途中、雨が降ってくると、傘を開いている人を見つけて風船を傘の中に入れてもらう。パスカルが家に着くと、母親は風船を取り上げ、窓の外に放り出してしまうが、風船はフワフワと窓のそばに留まっている。パスカルは再び風船を掴んで部屋の中に入れるのだった。翌朝もパスカルは風船を持って学校へと向かった。パスカルはひとりバスに乗るが、あとを追うように風船は付いてくる。放課後、パスカルの風船を取り上げようと、いたずらっ子たちがパスカルを追いかけてきた。なんとか逃げのびたパスカルだったが、買い物をしている隙にいたずらっ子たちが風船を奪ってしまう。彼らは風船に向かって石を投げつけ、やがて風船はしぼんでしまう。風船の傍らで泣き出すパスカル。すると、街中の色とりどりの風船がパスカルの元へ集まってきた。パスカルはたくさんの風船を掴んで、大空へと舞い上がっていった……。